渋谷漫才大学(2017.10.16)

東京よしもとから漫才のチャンピオンを生み出そうという趣旨のライブの第1回。
MCは竹内健人さん、教授役はNON STYLE石田さん。
石田「先に言うとくけど、俺が正解じゃないからね。こういう意見もあるよ、っていう」


○ダイタク 双子居酒屋
○インディアンス 早口言葉
相席スタート 浮気 ※準決勝ネタ
○ニューヨーク 腹立つ女 ※準決勝ネタ
○ゆにばーす 泊まりの営業 ※準決勝ネタ
囲碁将棋 死に際 ※3回戦ネタ


全組のネタを客席後方で見たのち、1組ずつアドバイス
言うことないと石田さん。石田「LLRはあんな言うことあったのに」w


・ダイタク
題材も新しいし凄く良いと。
ただ双子という偏った題材の中で、
石田「2人が思ってる共感と、ちょっとしたノイズが多少あるから…そこのすり合わせが難しいんやろな」

台詞のやりとりの仕方としてのアドバイス
「痛えんだよ」という台詞のあとに、「痛い?」と聞き返してあげるだけで後の展開がついていきやすくなると。
屋敷「こんな具体的な感じなんすか?」w

例えば「居ねえんだよ」の後も「え?」だけで済ませてしまってるが、「居ない」がボケ(実際は居る)なのであれば、
石田「そこを最初だけでも代弁してあげた方が」
「居るだろ」だけでもいいから。

あと途中のくだりからネタが転調するのが、4分とか3分とかの尺で考えるとちょっと邪魔かもと石田さん。
石田「こっち(客側)が求めてるもんと違うところに行ってるから」


・インディアンス
石田「全体的に粗いのよ作りが」田渕「自負してます」
勢いでごまかせるタイプではあるけど、石田「こういうところの雑さが全体的に出てるから、広い会場でハマらんかったり」
田渕「あぁー!はい!」竹内「占い師じゃないから」w
田渕「心当たりがありすぎて」
石田「(インディアンスは)屋根がないとしんどいかも」

あと、ツッコミが怒りながらも次のフリを続けてあげてる状態が気持ち悪いと。
石田「ゆったり感現象って俺は呼んでんねんけど」w
例えば田渕さんがフリを急かすような強引さがあれば、
石田「きむが『ん゙ー!』てなりながらも言えんねんけど」

このネタが寄席用なんだったらテンポを落とした方がいいと。
石田「寄席で行くと心地良いテンポじゃない」
テンポが早すぎる、田渕が村本現象になってしまっていると石田さん。
石田「自分の早さに慣れてどんどん早くなっていくっていう…。で、それはお客さんも慣れてってんねん。ただ、見てるお客さんは慣れてるってだけであって、初見のお客さんは慣れてないから」


相席スタート
一番最初のくだりについて、
石田「あの気づきが、今自分で言ってしまったことに気づいてるやんか」
山添「自分で気づいてます」
石田「それは作戦でやってる?」
山添「あー…」
ケイさんが気づかせる形にした方が良いのではないかと石田さん。
石田「(コンビバランスとして)ケイさんが上手に常におる状態はキープしておいた方がいいから」
石田「あの時点でケイさんにハメられてたっていう状況を作ってる方が、ネタとして全体的に一個上がるかなっていう気は」

2人で進めていくネタだからお客さんが離れやすいし、一度離れてしまうと戻ってこなくなりやすい。
戻ってこさせるポイントをある程度作っておいた方がいいと。
客席に「ね?」と問いかけたり、目線一個向けるだけでもお客さんは離れにくくなるから、と。

スタジオウケはよさそうだと。
レッドカーペットとかだと、石田「(パネラーが)自分で副音声入れれるネタが、そのあとコメントしやすいから」


・ニューヨーク
石田「ほんまあくまで微調の話になんねんけど…」
嶋佐さんが一発目に「こういう奴腹立つ」っていう話をするときに、
石田「温度がちょっと一歩引いてんねん」
なぁ分かるやろ?の温度ではないと。
石田「後ろに体重かかっちゃってる感じで。やからその時点でもうなんか仕掛けてる感じ」
屋敷さんの話をキャッチして、そのままの後ろにひいた状態で喋ってしまっていると。
ボールを投げるときはしっかり前屈みになっていないとダメだと石田さん。
石田「ちょっと大げさに言うで?凄い嫌な言い方するけど、ボケる顔してもうてんねん」
嶋佐「…一番恥ずい!」www

漫才やるうえで意識すべきこととして、
相手が喋ったことに対して次の人が喋るときは、絶対に相手の一個上か一個下じゃないといけないと語る石田さん。
石田「熱量も声の大きさも。どっちかじゃないと違和感があんねん」
今みたいに温度が露骨に下だったり上だったりすると、ボケのギア入れてる感が丸見えだと。

途中の「もうひとつ思い出した」という入りも勿体無いと指摘。
屋敷「もう一個行きまっせが」石田「うん、ちょっと見えちゃってるから」
フリートークでいうと「あとね!もう一個腹立つことあるんすよ!」と仕切り直している状態。
ウケてるところにもう一個上乗せの場合はまだいいけど、
あんまウケてないときの「あともう一個!」は見てて一番キツいと。
「こいつスベったから焦ってもう一個乗せてきてるやん」に見えてしまう危険性が。

どんなタイプの女の子が好き?のくだりが急すぎる、滑らかならもっとウケると石田さん。
屋敷「あそこは自分でも一回車降りて違う車乗ってる感じ」w


・ゆにばーす
神妙な面持ちの川瀬名人。竹内「キレてんの?」w
川瀬「違う違う!僕からしたら神のような言葉が今から授かれるっていう」w
石田「相当研究してるでしょ」川瀬「はい、自分なりに曲がりなりには」

まず下ネタはなるべく避けた方がいいと石田さん。
川瀬「はいそれは、ウケる魔力というか、ウケてしまう魔力にまだ取り憑かれてしまってます」
お笑いライブに来てるような人は笑いに敏感だから相当感じやすいと。
石田「媚薬飲んできてるみたいな」w
ただ賞レースとなると話は別。男女コンビならより丁寧に。
石田「先に『デリヘル』を言ってしまってるから、そのあとの男女のくだりがちょっと弱なってんねん」
川瀬「おっしゃる通りです…。」 ←ケイ「川瀬…笑」w

石田「あとー、大富豪のくだり」川瀬「そうですねちょっと問題のところですね」
石田「ここは得点を取りに行ってるところやねんけど」
川瀬「もちゃっとなるぐらいならやめた方がいいのかなって」
石田「ほんまは川瀬が欲しいぐらいまでは取ってないと思うねん」

石田「でもほんまコントへの展開とかも凄い上手いし」川瀬「(噛み締めるように)ありがとうございます…。」
ダイ「決勝じゃないよ?これ」
川瀬「…ホンマに嬉しいの分からんやろうなあ!」


囲碁将棋
石田「囲碁将棋はどういうつもりですか?」文田「一応水陸両用で考えてます」w
このネタに関して特にアドバイスできることもないと。
ただ、石田「根建がもうずーっと囲碁将棋を続けてるから、不感症になってんのよ。文田ではもう感じひん」w
突飛なボケに対して、ほんとはもっと大きなリアクションが欲しいところをやっていないと。
元々は何なら大げさな子だったはずなのに。
石田「漫才っていうのは、ツッコミの人が感情的になればなるほど盛り上がりやすいから」
今のツッコミでは、感じてる演技されてるみたい。
そうやった方が進みやすいからだとは思うんだけど、とは。
文田「漫才のリアクション上は淡々としてたと思うんですけど、ただ勃起してました」w


総括。
石田「すっごい面白いですよ」
NON STYLEは面白くないボケをどんだけ面白く見せるかっていうところで勝負していると。
石田「たぶんケンコバさんとかバッファロー吾郎さんが、ちゃんと見せ方にこだわったらもっと凄い人になると思うんです」
あの人たちはそれをしないけれど。
みなさんもそこまでは行かないまでも面白いので、
石田「見せ方をどんどんどんどん研究すれば、もっと良くなるかなあと」ケイ「やさしい」